観たい・聴きたい・読みたい

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画『デビルマン』にのけぞる

<<   作成日時 : 2008/03/18 00:01   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

『デビルマンレディー』のアニメをまとめて観て、結構面白いじゃないかと思った。アダルト劇画で、しかも引っ張りすぎの感がある原作をそのままアニメ化するのは最初から無理だ。そうすると全く異なる設定のアニメ版も「あり」だと思うし。それに『レディー』の制作者には原作への愛情も感じられる。

では本家『デビルマン』の実写版映画はどうか?

評判が散々だというのは聞いていたし、「文春きいちご賞」を取ったというのも事実だ。しかし原作の印象があまりに強いため、期待を裏切られたファンが騒いでいるのでは?という疑念も持っていた。

しかし、この映画を観て本当に絶句した。

原作『デビルマン』の並程度のファンである私だが、これを笑って忘れろというのは無理だ。
誰かに言わずにはおれない怒りがこみ上げてくる。

一言でいうなら「金返せ!」

わずか300円のレンタル代というなかれ。
怒りでその晩はしばらく眠れず、翌日睡眠不足で仕事に響いたので実害は甚だしい。

----------------------------------------

脚本と演出

了が同級生の指をはさみで切断。普通少年院行きになるだろう。
バットを振り回す不良どもも同様で、普通に登校しているのは異常事態だ。

シレーヌとの戦闘シーン、特にCGになる前の切れのない動きと「うっ」「はっ」という地声の掛け声は興ざめ。悪魔同士ならもう少しなんとかしろ。
この戦いは『デビルマン』 OVA が忠実に映画化しており素晴らしい。

シレーヌはデビルマンに勝った後、どこ行ったの?
「シレーヌはアモンが好きだったんだ」という了。なぜそんなこと知っている?
了は元々デーモンの仲間だからだが、なぜ明はそのことに気づかない?

デーモン退治に赴く特殊部隊の前に小錦をはじめデーモンの群れ。
彼らは抵抗するわけでもなく次々と殺される。

仲間がジンメン(人食いデーモン)にさらわれる。
なぜか海を捜しまわる明は顔を水に一回だけつけ引き返す。
ようやく森で見つけたジンメンに向かい「おれの友達を・・・てめー」というセリフに腹がよじれる。
学芸会の芝居?といったら学芸会に失礼か。

世界戦争になっているのに、なぜ美樹の一家は都会近郊の住宅地でのほほんとしている?

そもそもこの戦争、どことどこが戦っているのか?
新法である「デーモン対策法」など出てくるのに日本政府はまったく描かれない。

美樹の父親にデーモンだと見抜かれる明、その瞬間天を仰ぎ「ふぇ〜」と間寛平を思わす鼻にかかった声をあげる。認知症?

商店街で無差別に殺す男を止めに入る明。
その男が了と知るや「了、生きてたのか?」「サタンだからな」意味不明な会話。
明は了を懐かしがってなぜか殺戮をとがめない。

ミーコが変身したデーモンに特殊部隊が挑む。
ミーコは飛び道具を持たないが、重火器で武装する特殊部隊はお付き合いで殴りかかる。
当然全滅・・・

美樹の家に現われた特殊部隊の前でデビルマンに変身する明、腰を抜かして戦意喪失の部隊。明はその圧倒的力で美樹一家を守ると思いきや、何もせず連れていかれる。直前まで土砂降りだったのに連行シーンは晴れており、地面も濡れていない。別撮りならチェックしろよ。

明が留守の間、暴徒と化した人々に家を荒らされ両親と美樹は殺される。しかし、事前に危険を察知してミーコたちを逃がしておきながら、彼ら自身はなぜ逃げないのか?その後、のこのこ帰ってくる明。三人の死体が転がっているわりに家の中は整然としている。普通、殺人の証拠を残さないため火でもかけるのでは?

映画の中盤に了がまったく登場しない。どこで何をやっていたのか?原作や前後の展開から、闇の力で人類を操っていたと考えるのが自然だ。ところが最終盤、突如教会に現れた了によれば「見ていたら思いがけず、人々は暴徒と化し自滅した」そうだ。

怒った明は了に最終決戦を挑むが、肝心のその理由に説得力がない。原作ではサタン了が人々の心に不安を植え付け、暴徒にして滅ぼしていく。その悪意に怒ったデビルマン明が捨て身で戦いを挑むのだ。その結果、デビルマン、サタン、人類の三つ巴の戦いとなる。映画では人類置いてけぼりで二人の「最終決戦」。

ラスト、死にゆく明は了に「お前さえ生きてくれればいい」これって、どういう意味?
世界を巻き込んでの最終戦争の後なのに陳腐な友情ドラマのようなセリフ。

ここは映画の根幹を形成する世界観に関わるシーンなのである。
原作では死んだ明は当然一言も言葉を発せず、了の独白のみだ。

このサタン勝利の後、神が降臨して新しい世界が創造される。
したがって、ラストシーンでミーコと少年がいくら頑張ってもあまり意味がないだろう。

このあたり、脚本家(那須監督の奥さん)がいかに原作をきちんと読んでいないかが分かる。

----------------------------------------

登場人物

デビルマンこと不動明役の若者、身体が貧相すぎる。しばしば半裸で腕を突き出した変なポーズをとるので、鶏ガラのような二の腕の細さや腹筋のなさが余計に目立つ。そのおかげで学生服の着こなしもだらしなく見える。

この若者、不健康そうな表情で貧相な肉体を誇示するためイケメンとも思えない。しょせん街のチンピラか?彼の容姿、今風といえばそうだが、マッチョでなくても締まった身体の若手(『ウォーターボーイズ』が好例)はいくらでもいるだろう。

明と了に双子を使った理由も分らない。嘘かまことか那須監督は「原作では髪の色以外の容姿は同じだから」と言ったそうだ。それは漫画だからだろう?水島新司の野球漫画などヘアスタイル以外は皆同じ顔だ。

シレーヌ役、富永愛のプロポーションは素晴らしいが、細くて切れ長の目の東洋人顔そのものでいただけない。原作漫画のシレーヌは誰が見ても普遍的で魅力的なキャラである。その原典はヨーロッパの伝説に由来するので、無理して日本人モデルを使わず、インターナショナルな容姿がふさわしい。日本人なら栗山千明ぐらいなら良さそう。彼女は身長がないが、首から下はCGだから関係ないだろう。軽い扱いにより原作でのシレーヌの苦悩が伝わってこず、極めて残念。

宇崎竜童夫妻はやる気なさそうだが、主役がひどいのでましに見えてくる。

小林幸子などの顔見世出演が全く不要というか余計で、気が殺がれる。
当初、世界を配給の対象としていたらしいが、日本のローカルスターを出してどうする?

ミーコ役の渋谷飛鳥のみ適役に感じるが、演技は素人程度。
しかも前述の戦闘シーンや両親との関係など扱いが雑すぎる。

----------------------------------------

脚本のいい加減さに加え、数々の珍芝居にOKを出した監督の責任は当然大きい。
編集の段階で声優に変えるとかの案はあっただろう。

原作者永井氏もよく OK 出したな。
本人がちょい役で出演している場合ではないと思うが。

最終的に商業映画として配給した東映の責任だ。

こんなものが世界に流れているかと思うとぞっとする。

まさに「日本の恥」。

これは大罪だ。

デビルマンOVAコレクション
デビルマンOVAコレクション [DVD]

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
映画『デビルマン』にのけぞる 観たい・聴きたい・読みたい/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる