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zoom RSS 『耳に残るは君の歌声(The man who cried)』

<<   作成日時 : 2008/06/14 11:58   >>

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サリー・ポッターによる脚本を自ら監督した映画である。

原題を直訳すれば『泣いた男』となるが、ピンとこない。
ビゼー作曲のオペラ『真珠採り』中の有名なアリアから取った邦題が妙にしっくりする。

ストーリーの中心となるのは一人のユダヤ系ロシア人少女フィゲレだ。
彼女は出稼ぎのためアメリカに渡った父アブラモヴィッチを捜しに村を離れる。
幼ない彼女が持っている手がかりは父親の写真と記憶に残るその歌声だけなのだ。
この設定でも分かるように、作中ではオペラ、特に歌が重要な役割を果たしている。

時は20世紀前半、ロシアでは社会主義革命、農奴解放からスターリン体制。アメリカでは第一次大戦後の空前の好景気から一転して大恐慌、やがて第二次大戦参戦と慌しい時代だった。

父が旅立って間もなく、スターリンの政策によって農民やボルシェヴィキの集団が村に現れ略奪が始まった。5歳のフィゲレは父親の写真だけを持って村を逃れアメリカを目指す。
ところが港で言葉が分からないため、間違って乗せられた船はイギリス行きだった。イギリスでスージーという名前をもらったフィゲレは里親の夫婦に引き取られ18歳までを過ごす。

その後、歌の才能を見出されたスージー-フィゲレはオペラのオーディションに合格し、パリにやってくる。当時のパリはヨーロッパ各地からの難民を受け入れ活気に満ちていた反面、猥雑な町でもあった。亡命ロシア人ダンサー(K.ブランシェット!)やジプシーの一群など様々な人々と交わったフィゲレは初めて自分が開放的になるのを感じる。

しかしナチスのヨーロッパ侵攻やフランスの参戦などで父親捜しはますます遠のいていくのだった・・・とある意味、時間的・空間的スケールが大きい作品だ。

この作品の成功は主人公フィゲレ-スーザンを演じたクリスティーナ・リッチの魅力に尽きる。

黒髪で眼力がすごく「アダムズ・ファミリー」などが似合ってしまうクリスティーナだが、本作こそが彼女の代表作といえよう。見た目からも出自・国籍が複雑なフィゲレに合っている。ちなみに名前と容姿からラテン系のようだが、クリスティーナ自身はスコットランド=アイルランド系と語っている。子役時代から芸達者な彼女は作中で歌も歌っているらしいが、確認していない。

ちなみに本物のユダヤ系ロシア人の血を引く女優といえば ウィノナ・ライダー(個人的に好き)が代表的であり、年齢さえ若ければフィゲレを演じていてもおかしくはなかった。

この映画で一見小汚く、暗い情熱を秘めたジプシーを演じるジョニーデップはその演技で俳優としての格を上げている。主役の若手を引き立てる微妙な位置にありながら、主役を食ってしまうというデップの特徴が出ているのだ。前述のW.ライダー(『シザー・ハンズ』)、C.セロン(『ノイズ』)、K.ナイトレイ(『パイレーツ・オブ・カリビアン』)などもそれに当たるだろう。クリスティーナとデップは『スリーピー・ホロウ』でも共演しており、クリスティーナはキュートだった。

また作中ではジプシー(現在はロマなどが一般的)の移民問題に触れている。彼らはただの都市の厄介者だというわけでなく、ヨーロッ辺境から独自の芸術を持ち込んだはずだ。実際、この時期にパリで華やかに活躍したのも東欧からの移民が多い。多くのバレエダンサーや振付師、画家ではシャガールやモジリアニがユダヤ系ロシア人の典型だ。

映画のラストは意外とあっけないが、現実の人捜しは案外こんなものだったのかもしれない。
20世紀前半、東欧系移民の多くはニューヨーク摩天楼の建設現場や地下の工事現場で働いていた。大柄で勤勉な彼らは貴重な働き手だったそうだ。

この映画は少女の叙事詩的な伝記でありながら、真面目にやっていればいつかは幸せを掴めるというアメリカンなメッセージをささやかに発信しているのである。

なお、映画をポッター自らノベライズしたものが出ているが、ほとんど「あらすじ」のようで感銘は受けなかった。


耳に残るは君の歌声
アスミック
2005-11-25
クリスティーナ・リッチ


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内 容 ニックネーム/日時
女の子のオ●ニーをじっくり見たのはじめて(;゜∀゜)=3
彼女いわくオ●ニーにも前戯があるらしく、最初はナスビ入れてたよwwww
やっとバイブ使ったと思ったら一瞬で死ぬほど潮吹いてるしΣ(´Д` )ナンジャソリャ
見てるだけで6マンはウマかったわぁ(゜Д゜)y─┛~~
http://jazzye.net/nasukko/33Io03gO
マサマサ
2008/06/14 16:56

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