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zoom RSS 井上ひさしが死去

<<   作成日時 : 2010/04/12 00:38   >>

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作家の井上ひさし氏が死去されたそうだ。
享年75歳で肺ガンだったという。

井上作品は独自の解釈(というより戦後派の典型)を笑いのオブラートに包んだもので、思想的な立場は大江健三郎に近いものを感じる。訃報を聞いた後知ったが、大江らと改憲反対運動に取り組んだそうだ。

また、主人公に理想を語らせておきながら、現実は甘くないと苦い結末を用意するのも特徴的だ。
朝日新聞に連載されていた『偽原始人』やSF大賞受賞の『吉里吉里人』などにもこうした点が垣間見られる。

私は井上氏がかつて育ったという仙台のラサール会が運営する子供の養護施設で慰問演奏したことがある。
(下手すぎて子供に同情された苦い思い出が…)

また、こまつ座の『イーハトーブの劇列車』のチケットを落として観られなかったり、大学入試(これまた仙台の大学)で『吉里吉里人』の和文英訳が出たりしたので縁が深い。
(勝手に思っているだけだが)

さて井上作品で個人的に好きなのは、ひたすらおかしい『モッキンポット氏の後始末』とエスプリ溢れる戯曲『日本人のへそ』、軽く書かれているが少しひねった 『新釈 遠野物語』 だ。どうも重い結末のものは苦手なようだ。

ただし、例外もある。
仙台の養護施設を舞台にした 『四十一番の少年』 である。
これは救いがたい内容の犯罪小説で、およそユーモアのかけらもない。
神の力をもってしても救われない少年を一気に描いた点で作者にしては異色作といってよいだろう。

井上氏はヘビースモーカーだったと聞いているので、肺がんとの因果関係は大いにあり得るだろう。
晩年の井上は農業、ひいては環境問題に発言力を行使し、“安全な食”とは?と問うた。
それらは人類の長寿と健康を目指してのものだったと考えたい。

それなら、なぜ身近で深刻な環境問題である喫煙に目をつぶるのかを考えなかったのだろうか?
(医療にとっては、農薬よりはるかに深刻な問題だ)

同じことは、北海道の自然を愛しながら“愛煙家”を自称する劇作家、倉本聰にもいえる。
思想に実行が伴わないのは少し残念だ。

井上氏にもっと長生きして欲しかったと思うがゆえの疑問だ。


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