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zoom RSS アメナーバル監督の 『海を飛ぶ夢』

<<   作成日時 : 2011/05/29 00:25   >>

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原題 『Mar adentro(内なる海))』 は、2004年のスペイン・フランス・イタリア合作映画。

監督はスペイン人、 アレハンドロ・アメナーバル(Alejandro Amenabar)
本作監督時は、30歳そこそこだったというから驚きだ。

スペイン語とは異なるガリシア語で制作されたため、スペイン語圏でも字幕が必要だそうだ。


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本作はスペインで初めて尊厳死の権利を求めた「ラモン・サンペドロ事件」の当人を扱った極めて深刻な映画である。

スペインはカソリックの影響が強い国であるため、ラモンの主張は却下され、その後謎に満ちた死を遂げる。

映画は、一部想像も交えてラモンの最後の数ヶ月間を描く。
重いストーリーだが、登場人物たちの魅力とラモンの洒脱さで、価値ある一作となっている。

映画中で「尊厳死」という言葉が頻繁に出てくる。

スペインゆえカソリックの保守性がありながら、ヨーロッパ流の抽象的な議論(生きるのは権利か義務か?)もある。

「尊厳死など自殺の美名に過ぎない」という司祭が映画中に出てくると、なんとなくそんな気もする。

「尊厳死とは尊厳を持てる間に自らの死を選ぶこと、すなわち生きることだ」 と定義されると、こちらにも納得してしまう。

「認知症患者が介護してくれる人(家族)すら認識できず長命を保つうちに、家族が過労死」など悲惨の極みだからだ。

ラモンの 「キリスト教会が死刑を認めながら、尊厳死をただの自殺として否定するのはおかしい」という言葉は重い。

こうしてみると、日本語の「安楽死」という言葉は明らかに誤用であろう。
病との戦い・現実からの逃避というニュアンスが感じられる。
(ペットの「安楽死」というのは、飼い主にとっても、概ね正しい用法か?)

ラモンの死が青酸カリを使ってのものであったことからも、「尊厳死」はときに激しい苦痛を伴うものだ。

さて、本作主演の ハビエル・バルデム (Javier Angel Encinas Bardem) は、映画公開時にまだ 30代前半。
なんと20歳以上年上の初老の男を演じている。

ベッド上でのアップシーンが多いが、特殊メイクと迫真の演技で、完全になりきっている。

回想シーンの若者時代が、むしろ本人に近いのだから驚きだ。

他の俳優たちは日本では知名度ゼロだが、全員が好演といって良い。

きっとスペインでは名優たちなのだろう。

同じくアメナバル監督による 『アザーズ (The Others, Los Otros)』 (2001年公開)はゴシック形式をとったサイコホラー。


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当時20代の同監督自らオリジナル脚本を書き映像化した。
音楽も同監督作曲によるもので、才人ぶりを見せつける。

総合的にみて、『シックスセンス (The Sixth Sense』以上の出来。

オーソン・ウェルズが20代で『市民ケーン』を作ったのにも匹敵する。
アーティスト魂と商業主義がうまくミックスされているのが共通点だ。


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