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zoom RSS ちょっとびっくり『時の誘拐』芦辺拓

<<   作成日時 : 2011/08/06 21:30   >>

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大阪を舞台に個性的な作品を生み出す芦辺拓は敬愛する作家の一人だ。
個性的な『時の密室』の姉妹作(前段)とも呼べるのが、この『時の誘拐』だ。

時の誘拐 (講談社文庫)
講談社
芦辺 拓


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かつて大阪は計画的に造成された水の都であった。
それを治世者が破壊していった、といういつもの主張だ。

その古の大阪の街の構造を利用して身代金を受け渡すのが前半のヤマ。

驚いたのは、誘拐と身代金受け渡しを巡っての設定だ。

被害者家族が住むのは、阪急千里線の南千里駅近くの佐竹台。
金の受け渡しに使われるのは南千里駅前の銀行の支店(実在の店舗がモデル)。

これらは、私の家の目の前なのだ。

その後、受け渡しに指定された男は桃山台方面に抜けて、御堂筋線に沿って移動させられる。
そして、大阪市内の中之島で金は奪われる。

その際に、かつての「水都」大阪の街の姿が浮かび上がる設定なのだ。

「誘拐小説に駄作なし」という言葉がある。

しかし、本作の主題は誘拐事件と犯人当てだけではない。

「大阪の街の変遷」でも、「失われた地方自治」でもない感じだ。

敢えていうなら、日本を操ってきた官僚・東京中心主義などへの批判。
原爆投下を止められなかった「御用学者」もその中に含まれるらしい。

ここのところ、地方の県知事に中央官僚の天下りが増えてきた。

大阪は数少ない例外かも知れないが、タレント候補ばかりでは威張れないだろう。

それに、「庶民の町」と大阪礼賛ばかりもしていられない。

大阪府警のヤクザまがいの刑事の取り調べがいまだにニュースになる。
大阪地検のでっち上げ捜査も話題になった。

こう考えると、芦辺氏の大阪贔屓もときには鼻につく。

それでも読ませてしまうのは、たぐいまれな文章力に負うところが大きい。

ちなみに、島田荘司の『火刑都市』も、東京を舞台に多少似た題材を扱っている。

火刑都市 (講談社文庫)
講談社
島田 荘司


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実は、運河を張り巡らせた東京(江戸)の街作りのモデルは大阪だったのである。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
絶好調へ向けてやっておきたいこと。

芦辺さんですが、
『スクールガール・エクスプレス38』と
『スチームオペラ』の2作品が直近で発売されましたね。
どっちを先に手を出そうか、思案中です。

芦辺さんの作品作りってどうしてるのか、ネットで探してみました。
まぁ、核心部分は無かったんですけど、芦辺拓さんの性格を
分析しているサイト見つけました。
http://www.birthday-energy.co.jp

どうやら、常に見直してないと気が済まない性格らしいです。
道理で好不調があったりするんですね。
ただ、「つぶやき」がどこか遠回りしている感が
あるそうですよ・・・。
ダースン
2012/10/05 00:16
情報ありがとうございます。
確かに芦部さんは好不調の波が激しいです。
この「性格分析」は陰陽道みたいなものでしょうか!?
j-sakanoue
2012/10/06 08:39

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