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zoom RSS 映画『モールス』は、かなりの出来

<<   作成日時 : 2011/08/09 23:58   >>

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アメリカ映画『モールス』(原題 <Let me in>)は、スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイクである。

日本公開名『モールス』は、“スウェーデンのスティーブン・キング”ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストによる原作小説の題名 <MORSE -モールス-> であり、批判が多かった前作の日本語タイトルに反省したふしがある。

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『モールス』 公式サイト

前回のブログ で「アメリカでは表現の制約があるので、スウェーデン版を越えるのは難しい」と書いた。

しかし、映画『モールス』は、うれしいことに、期待を裏切る出来映えだった。

大衆向けに表現を妥協することなく、R15指定となっている。
(ちなみに『僕のエリ』は、R12指定)

リメイクにあたって、物語の舞台はストックホルム郊外からニューメキシコ州のロス・アラモスになった。
それに伴い、主人公二人の名前がオスカーとエリからオーウェンとアビーになった。

しかし、北米の観衆にとって親しみやすいというだけで、映画の印象は壊していない。

というか、わずかな演出の違いを除けば、脚本は、ほとんどそのままである。

『モールス』の宣伝文句「二人の衝撃の決断」も『僕のエリ』とまったく同じ。
(これには、少し拍子抜け)

それでいて、この二作を比較すると、はっきり好みが出るだろう。

アメリカ版(『モールス』)は主役の子供二人に焦点を当てて、他の登場人物たちが希薄だ。

オーウェンの両親は登場するが名前も呼ばれず、顔もはっきりと出さない。

途中でアビーに咬まれる女性は誰だか分からず、あっという間に太陽光を浴びて消滅。

いじめっ子とその兄は、ただの凶暴な悪ガキ4人で救いようがない。
最後に全員が、アビーに惨殺されてしまう。

その点、スウェーデン版(『僕のエリ』)ではいじめっ子にも個性があり、エリはそのうちの一人を殺さなかった。
プールから助け出されたオスカーに血に染まったエリが笑いかけるところは重要なシーンと思った。
しかし、アメリカ版は顔を一切出さず、アビーの足だけを映す。

そして、ここから最後まで一度も画面に登場しない。

なにか、アメリカ版の方は正邪が単純化された感じだ。

オーウェンとアビーの魂の交流に、よりウェイトがかかっているとも言える。

これが可能だったのも、主演の子役二人の演技力がただものではないからだ。
子役というより、俳優としても極限の巧さといって良いのではないだろうか。

二人だけのシーンが多いが、舞台劇のような'間'を可能にしている。

彼らの演技は最大級の賞賛を浴びて良いだろう。

まさに“プロの中のプロ子役”といえる。

その点、スウェーデン版の子役は明らかに素人だった。

演技力ではなく、見かけで選んだのかと思った。

たしかにオスカーは美少年だが、エリ役の娘は、あまりきれいとも思えなかった。
(南欧風でヴァンパイア向きではあったが)

ただし、二人の周辺の人物が丁寧に描かれていたことで、充分に補っている。

オスカーの両親の悩みも描かれていた。

エリに咬まれた女性の体調が変化し猫に襲われるシーンや病室で自ら死を選ぶなど、脇役を雑に描いていない。
彼女を見守る周囲の人々も同様だ。

その結果、善良な人々すらも食糧としなければ生きていけないエリの悲しみが伝わるのだ。

まずいタイトルを除けば、私はスウェーデン派である。

ただし、アメリカ派も理解できる。

特にアビー役の クロエ・グレース・モレッツ (Chloë Grace Moretz) の演技は歴史に名を残すだろう。
(しつこい?)

年齢を調べたら、映画制作時には、確かに12歳かそこらである。

とにかく、これらの作品は夏場になると待ってましたとばかりに公開される納涼B級ホラーとは、格が違う映画である。

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