観たい・聴きたい・読みたい

アクセスカウンタ

zoom RSS 池波正太郎の最高傑作短編集『賊将』

<<   作成日時 : 2012/04/28 09:08   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

私は膨大な池波正太郎作品の中でも『剣客商売』を好む。
『仕掛け人』がそれに続き、『鬼平』はなぜか肌に合わない。

秋山親子や梅安が出てこない池波若き日の短編集が『賊将』だ。
淡々と描かれた歴史小説集だが、密かに最高傑作と思っているのだが。

『応仁の乱』
応仁の乱を舞台に名ばかりの将軍であった足利義政の苦悩を描く。
応仁の乱や日野富子の名前は知っていても、その中身を知ったのはこの作品でだ。
混乱した世相を背景にした芸術という重い題材を描きながら、人物にはおかしみもある。

『刺客』
刺客3人で江戸への密使を切る命を受けた藩士の虎之助。
密使の目的は、藩主をそそのかし、領民を苦しめた虎之助の上司を訴えることだった。
気が進まないまま、保身のため暗殺を引き受けた虎之助は首尾良く目的を果たす。
ところが、死に瀕しての密使の言葉を聞き驚愕した虎之助は驚きの行動に出る。

『黒雲峠』
藩主に寵愛されていた玉井平太夫を暗殺した鳥居分之進を討つため、藩主は8人の追っ手に文之進を追わせる。
ところが、文之進は腕利きの剣士、天野平九郎を従えていた。
天野の実力を知り怖れる追っ手の5人は黒雲峠で待ち伏せして決戦に臨む。
討たれる側でなく討つ側の恐怖が伝わってくる。
緊迫する後半から、想像できないラストが待つ。

『秘図』
歌舞伎の「白波五人男」で有名なのが日本左衛門(にっぽんざえもん, 1719-1747)という盗賊。
彼をを捕らえたことで有名な実在の火付け盗賊改、徳山五兵衛の意外な素顔を描く。
人に言えない趣味を持つ五兵衛には、人間の深みを感じさせられる。
どこまで史実なのか不明だが、あまり類を見ない時代小説ではないか。

『賊将』
薩摩の英雄、西郷隆盛の腹心だった桐野利秋の物語。
桐野は聖なる野人として描かれる。
本のタイトルになっているが、他の作品に比べて特に傑出したものではない。

『将軍』
明治天皇に殉死した陸軍大将、乃木希典の生涯を描く。
日露戦争の203高地で無意味な突撃を繰り返し多大な死者を出した愚将のイメージがあった。
その一方で、残っている写真とのイメージが合わず戸惑ったこともあった。
ここに描かれる乃木の人間像には少し納得させられる。
敗れたロシアの敵将を救うエピソードなども淡々と描かれる。
これに比較すると、第二次大戦中の日本陸軍軍人は随分と下品だったに違いない。


賊将 (新潮文庫)
新潮社
池波 正太郎


Amazonアソシエイト by 賊将 (新潮文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
池波正太郎の最高傑作短編集『賊将』 観たい・聴きたい・読みたい/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる