観たい・聴きたい・読みたい

アクセスカウンタ

zoom RSS 主人公以外は悪くない『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

<<   作成日時 : 2014/03/04 00:37   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0

『スター・トレック 宇宙大作戦』はTVシリーズから始まって、数多くの続編・スピンオフが作られてきた。

私は高校時代(1980年代前半)TVシリーズファンクラブ公式会員だった。

初期のスタートレック(宇宙大作戦)シリーズは、SF的テーマの中にもアメリカの伝統的家族ドラマの要素を含む。

一家の長たる情熱家カーク艦長と冷静な女房役スポックにスコットランド系、日系、アフリカ系クルーを入れた長屋もの的SF人情ドラマであった。

当初制作された頃は公民権運動も盛んな60年代(キング牧師暗殺前)でり、それだけでも画期的であったと思われる。

最新作 『スター・トレック イントゥ・ダークネス (Star Trek Into Darkness)』 は、そんなシリーズの伝統を受け継ぎつつも現代的な作品だ。

この映画新シリーズはTVオリジナルのリメイクと思っていたのだが、老いた「スポック大使」が登場し過去のいきさつを語るシーンがある。

演じるのが、初代スポック レナード・ニモイ (Leonard Nimoy) なのでややこしい。

TVシリーズの単純なリメイクではなくパラレルワールド的世界観のようだが、オリジナルを意識しているのは確かだ。

メカ嫌いマッコイ、職人肌スコッティ、好青年スールー(演じるのはコリア系)、童顔純朴なチェコフとTVシリーズを意識したキャラクタはなかなか立っている。

演じる俳優たちも概ね適役といえるが、特にオリジナルのマッコイ役、D.ケリーを思わせるボーンズのキャラクタには好感を持った。

スポックとウフーラにはTVより重要な役回りが与えられ、しかも恋愛関係にあるという味付け。

肝心なのは主人公のカーク艦長だが、これが相当な問題児で愚かなやつである。

軍紀違反しまくりでスポック一人を助けるため艦隊規則を破り、責任を問われると「実際は死ななかったじゃん」と開き直る。

メカを操縦させると、スターウォーズのハン・ソロ的やけくそおもしろキャラになる。

そんな役柄にふさわしく、ナイナイの岡村を思わせるサル顔で知性に欠けた顔つきだ。

こんなのでよく艦長になれたと感心する一方で他のクルーたちに同情する。

こうした猪突猛進純粋愚か者ヒーローキャラが好きなのはアメリカ人の伝統らしい。

今回の悪役ハリソンを演じる英国人俳優 ベネディクト・カンバーバッチ (Benedict Cumberbatch) が凄みを発揮するだけにその愚かさが際だつ。

この映画のチラシ・ポスターでもカークでなくハリソンが主役として扱われている。

そんなカーク艦長と周囲のメンバーの最大の論議は「殺すか?生きて連れて帰るか?」

つまり、ハリソン一人の潜む惑星に魚雷を撃ち込み星ごと消滅させるかという話である。

結局「殺害派」のカークは「裁判を受けさせる」というスポックらの説得に折れハリソンを逮捕。

それでも復讐の感情に駆られて無抵抗のハリソンをボコボコ殴るがあまり気分の良いシーンではない。

(あとで倍返しにされるのはいい気味だ)

今にして思えば、情熱家ながら知性とユーモアを備えたカークをTVで演じた ウィリアム・シャトナー (William Shatner) は良い俳優だった。

とにかく、本作のメインテーマは「殺さない」なのである。

ルールを破ったカークも法を遵守したエンタープライズ乗員も敵味方問わずなるべく死なないよう行動する。

ここらへんは、ビン・ラディン追討のためアフガンの山に猛烈な爆撃を行い、後にアフガン人捕虜への虐待が明らかになったったアメリカ政府・軍部への批判にも思える。

ただ、主要人物の死に敏感な一方で、ご都合主義的なところもある。

72基のミサイル弾頭の解除をあっという間に行ったり、隔壁が破れて宇宙に飛ばされる名もない乗組員の死に無頓着だったりというあたりだ。

エンタープライズを遙かに超える規模の戦艦を人知れず作るとかそれを数名で操縦できるとか強引な設定もある。

おかげでお約束の宇宙空間でのドンパチも成立するわけだが。

CGを駆使した宇宙シーンの後は地球(ロンドン?)での肉弾戦。

銃器を使わず足もと不安定な場所で1対1でやり合うのはスターウォーズやウルヴァリンを思わせ今や定番か。

それにしてもハリソン強い!

人間はもちろん、素手でクリンゴンやバルカン人をやっつけるとはある意味カタルシス。

とはいえダークヒーローには限界がある。

最後はルール遵守、人命尊重を貫いてきたスポックの怒りが爆発。

感情に囚われハリソンを殺害しかけるが、ぎりぎりで思いとどまる。

「生きるためには殺せない」という人命尊重・人情ものの伝統は守られたのである。

「人類の弱点は愛」だが「救うのも愛」なのだ。

なんだか24時間テレビのようだ。

近年のSF映画として比較的脚本の良くできた本作は、かなりの人が楽しめるだろう。

TVシリーズへのオマージュという要素が強いのでオールドファンも喜ばせる。

囚われたハリソンの独白を聞いたときは耳を疑ったほどだ。

それをダメ押しするかのように、TVシリーズのマスコット(ゆるキャラ?)トリブルが登場する。

なんだそりゃ? という人は こちら


スター・トレック イントゥ・ダークネス ブルーレイ+DVDセット【2枚組】
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2014-01-08


Amazonアソシエイト by スター・トレック イントゥ・ダークネス ブルーレイ+DVDセット【2枚組】 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
主人公以外は悪くない『スター・トレック イントゥ・ダークネス』 観たい・聴きたい・読みたい/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる