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zoom RSS 『セッション』 は考えさせる映画

<<   作成日時 : 2015/05/16 15:18   >>

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『セッション (WHIPLASH)』 はアカデミー賞3部門を受賞したため、日本でも上映期間が延びた。

おかげでなんとか観られたのだが、ミュージシャンの間では早くから評判になっていたそうである。

(ジャズドラマー高坂照雄氏より)




この映画を観た人の多くはスキンヘッドの鬼コーチ フレッチャーしか印象に残っていないと思われる。

演じた JK シモンズはバイプレイヤーとして名前が知られるが「助演賞」とは思えぬ怪演だ。


以下に映画『セッション』のネタバレがある。


この映画、カリスマコーチと若者が「究極の師弟愛」で頂点を目指すというのはピントがずれている。

たしかに序盤は、原題のWHIPLASHを思わせる若者への愛の鞭(?)の嵐。

しかし、他の団員の前でプレイヤーを辱め追い出す手法は教育手段として有効か?

「自分の理想とする音を壊した」若者への憎しみを持っているとしか思えない。

ビッグバンドジャズというのは、個々のプレイヤーを生かしつつのチーム戦だから野球に似ていなくもない。

高校野球の名門、智弁和歌山の監督も「試合でヘマした選手が憎かった」と言っていた。


結局、事故でぶち切れた主人公が訴えてフレッチャーは解任、本人もいったんは音楽を捨てる。

その後フレッチャーがバーでピアノを弾くシーンがあるが、正直印象に残らない演奏だ。

そこでふと思う。

演奏家としていまいちだった彼が「次世代のチャーリー・パーカー」を育てたいと意気込んでいたのか?

演奏家として歴史に名を残すのを諦めた代わりに「名伯楽」として名を残す。

いわば自分のための「次世代探し」にも見えてくるのだ。

バーで「良い人に返った」フレッチャーは再度自分のバンドに誘う。

しかし、甘い誘惑に乗ってカーネギーホールに乗り込んだ主人公に超インケンな仕打ちが待っていた。。

(この展開には驚いた)

ここで主人公が失敗するということは、フレッチャー自らも共に墜ちるということ。

密告した弟子に復讐したついでに自らの名誉も失うのだ。

(まだ無名の弟子よりむしろ失うものが大きい)

それとも、それを覚悟で弟子を目覚めさせる博打に出たのか?


私にとって、この映画で最も謎な点である。

というのも、フレッチャーは解任された後、自分を裏切ったこの「愛弟子」を積極的に捜していたわけではない。

偶然ライブバーで再会したのである。

それはともかく、最後に「覚醒した」主人公が「合図する」と言った瞬間、胸がすく。

呆然とするフレッチャーだが、この瞬間両者は一体となり高みを目指す。。たしかに最後は「奇跡の瞬間」だろう。




共感を覚える若きドラマーと鬼コーチ フレッチャーを演じる二人はいずれもミュージシャンではない。

ドラムも映画に合わせて習得したそうだが、細かい点はともかく大したものだ。

ただしドラマの転換部で楽譜やスティックを忘れたり、事故にあったり、偶然バーで会ったり、とご都合主義もある。

とはいえ、映画が終わるまでに時間はあっという間だった。

重要な登場人物は二人だけというこの映画を観客が息を凝らして観ていたに違いない。


こんな鬼のようなコーチ・トレイナーが現実にいるのかと思いきや、むしろクラシック音楽の世界に珍しくない。

映画にもなったトスカニーニはその代表だ。

ジョージ・セル (George Szell) はクリーブランド管を鍛え上げる過程で団員の半分をクビにしたという。




シモンズともどもツルッパゲで、見た目が似ているのが不思議である。


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