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zoom RSS ないしょないしょ -剣客商売番外編

<<   作成日時 : 2015/12/10 23:00   >>

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池波正太郎は、晩年に女性を主人公にした時代劇をいくつかまとめて書いた。

『ないしょないしょ』 は、その代表作で、ふくという娘の人生を少女時代から最期まで描く「池波版 女の一生」だ。


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冒頭は雪国 新発田の道場で、ふくは道場主 神谷弥十郎の慰みものにされる。

しかし、借金の肩に売られてきた自分に帰る場所などない。


現代ではありえないハードシチュエーションだが、その弥十郎が汚い罠で殺されてしまう。

しかも、死を覚悟した弥十郎は自分に大金を残していた。

もともと弥十郎は思いやり深い人間だったのに、何が彼を変えていたのか?

複雑な感情に駆られたふくは、知人とともに江戸に出てくるのだった。


そこで多くの人々(秋山小兵衛 他常連含む)の好意でふくは人生を持ち直す。

ところが、江戸で弥十郎の仇を見つけて動揺する。

さらに、狂気を秘めた相手は周りの人間も巻き込んでいく。

それ以降、実に多くの人間が死ぬが、死ぬ場面が露骨に出てくるところは少ない。

ようやく訪れた復讐の機会にも、助太刀の小兵衛はふくに「殺したらお前も一生苦しむ」と言って戒める。

そして捕えた仇をお上に引き渡すのである。


ストーリーは、本来の主人公 秋山小兵衛の53歳から70歳までの期間に当たる。

これは『剣客商売』シリーズをほぼ網羅する長期間である。

しかし、その小兵衛の描写がふくの眼を通して描かれるので、いつもと少し様子が違うのだ。

特に前半は、われわれが馴れている枯れた初老の男ではなく小太りで精力的な中年だ。

いつも読み慣れた小兵衛と異なるのでかなり違和感があるが、それもこの小説の斬新さだ。


ふくの最期は比較的唐突に訪れるが、自分を犯した主人弥十郎への感情は詳しく述べられない。

それこそが、「ないしょないしょ」であることにここにきて気づく。

そして、余韻を残すのである。

女と子供を描くのが苦手といわれた池波にしては異色作ではないだろうか。


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