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zoom RSS 悪魔的な 『モンパルナスの灯』

<<   作成日時 : 2016/11/30 20:59   >>

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『モンパルナスの灯』 は、画家で彫刻家の モディリアニ の晩年(といっても30代半ば)を描いた映画だ。

子供のころテレビでやっていて観た記憶があったが、 映画館 で再会した印象はまるで違っていた。


モディが結核でアル中の天才画家というのは不変だが、周りの人物が巧く描かれており、その多くが実在だ。

やはり脇役が良くないと映画は成立しない。


イギリス人の恋人を酔って殴ったり、隣人の好人物に迷惑かけたりと、モディはお騒がせな輩である。

富裕なアメリカ人が絵を高く買ってくれそうな状況においても、あと一歩の我慢ができない。

(このシーンは観ていてかなりハラハラする)

最後に妻や友人を置いて「もう売れなくていいや」と現場を逃げ出してしまう。


自分に妥協ができない芸術家気質、わがままで天真爛漫、ある意味天使のようなのだ。

それを演じるのが夭折の美貌俳優 ジェラール・フィリップ だからなおさらそう見える。


一方で芸術家には寛容なパリの貧困社会も描かれている。

当時親交があったピカソやユトリロも無名の若者であったことからも、その価値は後年の評価に委ねるしかない。

パリの一部市民はそうしたことが分かっていたのだろう。


そのアンチテーゼとして登場するのが、謎の画商。

(「笑ワナイせぇるすまん」といった風体)

演じる R. バンチュラは、見かけは紳士ながら徹底的に無表情で、平気で「死」を口にする。

おそらく短命を覚悟している主人公や周りが最も耳にしたくない言葉だ。

終盤近く泥酔したモディの後ろを黙って着いていく。

モディが間もなく死ぬのが分かっていて、手伝うことも止めることもしない。


そしてモディの死を見届けると、伝説的美女 アヌーク・エーメ 演じる若妻ジャンヌのもとを訪れ、「絵を買いたい」。


「主人も喜びます」と快く見せるのを受け、狂った情熱に憑かれたように絵を選別するシーンで映画は終わる。

この悪魔的ともいえるラストはまったく記憶にないのだが、テレビ放映時はカットされていたのかもしれない。

この映画は芸術をめぐる 「天使と悪魔」 を描いているのか?


なお、美しい妻のジャンヌさんは妊娠中ながら後追い自殺している。

映画主演の G. フィリップは映画公開の翌年に36歳でガンで死亡した。

演出がかった映画より現実の方がさらに悲劇的という事実に呆然とするのである。


パリの墓地にはいずれも芸術家が眠り、ある種の観光施設になっている。

しかし立派な墓碑の多くが後年建てられたものであり、生前はそれぞれに悲劇的なドラマがあったに違いない。


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