『ベオウルフ/呪われし勇者』は微妙な作品

『ベオウルフ(Beowulf)』は英文学最古の作品の一つで、北欧の英雄ベオウルフの冒険を描く叙事詩だ。

この作品をフルCGで描いた映画『ベオウルフ/呪われし勇者』 が公開された。

CGといっても、実在する俳優をもとに顔を描き、動きもモーションピクチャーの手法を用いたフルCGアニメーションだ。

映画は伝説をかなり忠実に映像化している。戦士の誇りや英雄の苦悩を描いた大人向けの真面目な映画といって良い。登場人物のキャラクターも単純な善悪に割り切れず、ゼメキス監督らしくブラックな部分も多い。

前半のゴーレムを思わせるモンスター、後半は老いた王が城から飛び降りたり、城を襲うドラゴンと格闘したり、と映画『ロード・オブ・ザ・リング』を思わせる場面が多い。しかしそれは話が逆で、北欧神話『ベオウルフ』がトールキンの『指輪物語』に影響を与えたのだ。

肝心の映像だが、

冒頭からその精緻さに驚く。言われなければCGとは気づかないだろう。ただし、これでは実写映画とどこか違うのか?と問いたくもなる。しかも気をつけて観ていると、人物の細かい動きはやはりぎこちないし、ドラゴンに襲われる長いシーンでは仕事が雑になったか、女性二人の顔が普通のアニメみたいになっている。

おそらくゼメキスはフルCGへの相当なこだわりがあるのだろう。『ポーラー・エクスプレス』のようなファンタジックな作品ではそれも良いかもしれない。しかし本作のように重厚な神話を描く場合、それはふさわしいだろうか?

現在は実写とCGの合成技術も発達している。例えば『ロード・オブ・ザ・リング』や『平成ガメラ 3』で多用されており、フルCGより明らかに重量感があった。

監督が映像マジックにこだわりすぎて観客の注意力が削がれては本末転倒だろう。

映画『ベオウルフ/呪われし勇者』は内容がオーソドックスなだけに少し残念だ。

ただしCGの利点として、登場人物の裸体を比較的自由に描けることがある。
もっとも、この映画のベオウルフは無駄に露出狂のようで意味がよく分からない。

とにかくアンジェリーナ・ジョリーのフルヌードが見られるのがCGムービーの最大の利点ということになってはもったいないだろう。

古英語叙事詩『ベーオウルフ』対訳版

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この記事へのコメント

きぐるまん
2007年12月24日 10:24
TBありがとうございます。
微妙な作品ですね。
どうしてフルCGなのか、という疑問はやはり残ります。
シーンによって、実写にすべきだったろうという部分も多いですね。
2007年12月25日 09:52
TB、ありがとうございました。

CGだと知らずに観に行って、ビックリしました(笑)
裸を自由に書くためのフルCGだったのか~
と、思えばいいのでしょうか?(笑)

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