大名時計博物館

東京の下町(台東区谷中2-1)に江戸時代に作られたからくり時計(別名:大名時計)を展示した博物館がある。
陶芸家の故上口愚朗氏が生涯にわたり収集したものだ。

この時代、日本人は不定時法を用いていた。不定時法とは、夜明けから日暮れまでの昼を六等分、日暮れから夜明けまでの夜を六等分した時刻のシステムだ。

しかし夜明けと日暮れは季節によって異なり、昼と夜の長さも常に変化する。その結果、一時(いっとき)の長さが変わる。つまり時計の針の運行速度を変えねばいけないのだ。

この難題をゼンマイもしくは重りを使ったシステムで解決したのが江戸の職人だ。
ザビエルが伝えた西洋の技術を日本人が改良した世界でも類を見ない技術らしい。
まことに驚くべき職人技であり、その原理を即座に理解することは素人には難しい。

誤差は我々が想像するより少ないそうで、一日数秒しか狂わないものもあるそうだ。
実際に展示室で動いている時計を見たが、なかなか精緻な動きをしていた。

江戸東京博物館に一部屋取って飾られていてもおかしくはない展示内容だが、場所がら客が少ないのは残念だ。

とはいえ、博物館は閑静な住宅地にあり、もとは大名屋敷だっただけに、その雰囲気も見ものの一つだ。

なお、博物館と不定時法については、こちらの 訪問記 が詳しい。

芦辺拓がこの博物館でインスパイアされて書いたのが『和時計の館の殺人』だ。和時計の複雑なシステムが詳しく解説され、しかもトリックに使われている。

それでもやっぱり理解が難しい。



和時計の館の殺人 (光文社文庫)

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