お奨めミステリー小説 (281) 『動物園の密室』 霧舎巧

作者のペンネームの名付け親は名探偵、御手洗潔の産みの親、島田荘司だ。
そして当の島田からパロディ作品を依頼されて書いたのが本作だという。

冒頭のエピソードから始まって、御手洗の言葉で語られる官僚への嫌悪、横浜への偏愛、さらに御手洗の意外な子供受け、動物好き、騎士道精神などが織り込まれ、ある意味本家以上に御手洗ものらしい。

いわば“パロディを越えた作品”かもしれない。

当然、舞台は横浜で、野毛山動物園を舞台に密室殺人が起こるのだ。
無理矢理なシチュエーションのようだが、トリックには動物園である必要性がある。

なお『傑作短編集』に収められた『クリスマスの約束』は本作の後日談だ。
御手洗は登場しないものの微笑ましい気持ちにさせる。島田も良い後輩を持ったものだ。
------------------------------------------------------------------------------

[あらすじ]

「コアラを見に行こう」という御手洗の一声で横浜のN山動物園にやってきた御手洗と石岡は幼稚園児らしい二人の子供を見かける。女の子は勝ち気だが、かたや男の子は動物園の職員を見て泣き出す有様だ。しかも女の子は泣いている男の子を「知らない子」と言ってばかにする。

その頃、動物園では事件が持ち上がっていた。獣医が殴り殺されて見つかったのだが、現場は動物飼育室で密室だった。しかも殺された獣医の傍らにはやはり頭を割られた子供のワラビー(小型のカンガルー)の死体が置いてあった。

現場で出会った刑事たちは横柄な態度ながら、居合わせた御手洗に事件解決を依頼する。


霧舎巧 傑作短編集 (講談社ノベルス)
講談社
霧舎 巧


Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック