クラシック音楽界、随一の一発屋

ヒットチャートやお笑い芸人にいわゆる“一発屋”はつきものだ。それはクラシック音楽の世界でも例外ではない。

この業界最大の一発屋的作曲家はジョゼフ・カントルーブ(Joseph Canteloube)ではないだろうか?
このことを言うと首をかしげる人もあり、「一発屋といえば、組曲『惑星』のホルストではないか?」という。
しかしホルストは『セントポール組曲』などが知られており、ブラスバンドの定番レパートリーとなっている。

これに対し、カントルーブ作曲で現在耳にできる唯一の楽曲が『オーヴェルニュの歌(Chants d'Auvergne)』だ。

この歌曲集は、ケルト文化が残るオーヴェルニュ地方の風景を描写したという作曲者最大の思い入れのある曲だ。
曲集全般にわたって実に鄙びたメロディーで、日本各地の民謡と雰囲気だけは似たようなところがある。
しかし作曲者のオーケストレーションによって、歌謡から芸術に昇華したともいえる。

カントルーブはこの代表作を完成させるのに30年以上を費やしたといい、その耳障りの良さは特筆ものだ。

しかし、『オーヴェルニュの歌』は非常に聴きやすい一方で、過度な俗っぽさに陥らず品を保っている。

これに対して、マーラーの『大地の歌』などは真逆だ。
芸術を振りかぶって悲劇を演出してみせながら、身も蓋もない俗っぽさも垣間見せるところがマーラーらしい。
(好きだけどね)

というわけで、私はアップショーが歌う『オーヴェルニュの歌』を夢見る乙女にプレゼントする悪魔的CDとして、その機会を虎視眈々と狙っているのだ。(そんな人がいればだが)


カントルーブ:オーヴェルニュの歌他
ワーナーミュージック・ジャパン
2001-07-25
アップショウ(ドーン)


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