お奨めミステリー小説 (300) 『ブラウン神父のお伽噺』 G.K.チェスタトン

300回の記念にして最後に紹介するこの小品はブラウン神父が解き明かすとびきりの不可能犯罪を描く。

シチュエーションは実に魅力的で、歴史ものでありながら、神秘的であり、ホラーの要素もある。

短い小説によくぞここまで詰め込んだものだ。

ミステリーの無限性を予感するこの作品が発表されたのは第一次大戦中の1914年であった。
日本では「非常時に探偵小説など不見識」といわれた時代だ。
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[あらすじ]

ブラウン神父と相棒のフランボアはドイツの片田舎を旅行中だ。
実に平和でのどかな光景だが、フランボアはかつてこの国で起きた奇怪な事件について語りだす。

20年以上前、まだビスマルクの時代、この国はオットー公の統治下に置かれていた。
当時“愛国三兄弟”と呼ばれるゲリラの戦士がおり、ビスマルクの傀儡であるオットー公に抵抗していた。

しかし、三兄弟の一人パウルは抵抗軍を裏切り、オットー公の側につく。
真の英雄ルートヴィッヒは殺され、残されたハインリッヒは隠遁生活に入ってしまった。

統治に成功したオットー公は暴動や暗殺を怖れ、国中にある武器を徹底的に取り上げ、完全に武装解除した。
こうしてオットー公の軍以外は銃一丁持てなくなったのである。

ところがある晩、オットー公は森で頭を銃で撃ち抜かれて死んでいた。

いつも暗殺を怖れて城に引っ込んでいたオットー公はなぜ一人で森に出かけたのか?

国中から銃が消えうせていた当時、誰がオットー公を殺せたのか?

ブラウン神父は安楽椅子探偵ぶりを発揮する。


ブラウン神父の知恵 (創元推理文庫 (110-2))
東京創元社
G.K.チェスタトン


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この記事へのコメント

ke
2010年12月08日 14:47
原本がすばらしいのか 訳したひた人がすごいのか                                                       とても美しい背景ですよね                       星 3つです       

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