名作風駄作がまた一つ

最近公開された 『ある天文学者の恋文 (Correspondence)』

「ニューシネマパラダイス で知られるイタリアの名匠 J.トルナトーレが贈るこの秋の感動作!」とのこと。

予告編だけ観ると確かに良さそうな作品にみえるが、実はかなりの珍作だ。




(以下にネタバレが含まれる)


本作、ストーリーに本質的な難があるように思われる。

難病に冒され死んで教授が、死後に教え子の人生を導くという一件「感動秘話」。

そのために生前いろいろ仕込んでいたことを、ご丁寧に暖炉のエピソードでホテルのおばちゃんが語っている。

J. アイアンズ演じる教授は、このようにすべて他人に託しているので、結局ばれることが前提。

死後に自分を印象づけることに執着しているようで、自己顕示欲が感じられる。

この人、さまざまなメディアを駆使して他人の人生に干渉してくるあたりが世間馴れしており、かなりの俗物とみた。

おまけに、ひまじんか?

こんな手の込んだことをせず、生前に今後のことをじっくり話しあえばと思うのは私だけではないだろう。


残された側の人生も有限なのだ。

科学者が自分の名を永遠に記憶にとどめて欲しいと願うなら立派な論文を書けばよい。

タイトルにある「天文学者」への印象も悪くなってしまいそうだが、原題にそんな言葉は入っていない。


めそめそし精神不安定、かといって他人の気持ちに敏感でもない主人公の娘のキャラクタにも共感しにくい。

死の数日前まで末期ガン患者と密会していて体調に気づかないものだろうか?


O. キュリレンコ 演じるこの子は純粋なのか単純なのか、教授の啓示を受け一念発起。

猛勉強で学位を授与され母親と仲直りする。


しかし、まあそれだけの話しである。

生前に導いて欲しかったが、それをせずせっせと死後の準備をしていた教授氏。


あらゆる要素に不満が残り、これは 『ハリーとトント』 系列の「名作風の駄作」と言われても仕方ない。


音楽は才人 E. モリコーネだが、今ひとつ乗り気でなかったのか冴えない。


過去の実績から期待させただけに残念作だが、この監督は当たり外れが多いというのは業界通の言葉である。

シックスセンス 以後のシャマラン監督作に通じるものがある。

ヴィレッジ だけは嫌いではないが)


本作に予告編の制作努力賞だけはあげたいものだ。


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