チャールズ・トレガーの真実

チャールズ・トレガー (Charles Treger) はアメリカの優れたヴァイオリニストだった。


「だった」と書くのは有名になってからの足取りがよく分からないからである。


トレガーは、ポーランドで開催される ヘンリク・ヴィエニャフスキコンクール の優勝者だ。

5年に一度の開催でもあり、ショパンコンクールのヴァイオリン版のようなものだ。

過去の入賞者には、オイストラフ親子、J.ヌブー、I.ヘンデルや日本人ヴァイオリニストも多数含まれる。


しかし、1960年代はソ連・東欧の独壇場で、アメリカ人が活躍することなどなかった。

そんな中でのトレガーの優勝は、チャイコフスキーコンクールを制した ヴァン・クライバーン に匹敵するだろう。

(今に至るまで半世紀以上たっても、アメリカ人優勝者はトレガーのみ)

クライバーンも未完の大器で一生終わった感があるが、多くの録音と自身の名を冠したコンクールが残る。


一方、トレガーに関する情報の少なさは極端だ。

なにせ、ウィキペディア US版にも項目がないのである。


検索してみると、トレガーとの交流の思い出を書いた サイト が見つかった。

“Charles Treger’s Truth”とあり、謙虚な地方の名士を思わせる。


YouTube には、トレガーの数少ない映像(静止画と音声)がある。



あまり個性的ではないが、端正で決して悪い演奏ではないと思う。

現代では、H. ハーン や J. ベル のような世界を股にかけるアメリカ人ヴァイオリニストは珍しくない。

しかし、1960年代のアメリカという享楽的な環境で(商売にならない)ヨーロッパ的な芸術を目指したトレガーは事実上消えてしまった。


30年早く出すぎた天才だったのだろう。

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