東京都現代美術館の『ゼロ年代のベルリン』

東京都現代美術館 (Meusium of Contemporary Art Tokyo; MOT) は、日本で最も好きな美術館の一つである。
私は、ここ十数年通っており、三年前までは正式な会員だった。

現在、展示されているのが 『ゼロ年代のベルリン』

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1989年の壁崩壊後、ベルリンは世界で最も芸術家を魅了する町になったという。
抑圧された都市が解放されたとき、そこには何かが生まれる土壌ができるらしい。

未来志向の芸術が生まれる場所、それがベルリンという。

フランスやイタリアにも前衛芸術は存在するが、ベルリンほどの「ごたまぜ感」は感じられない。

アメリカは一部を除き、芸術に関しては保守的な国だ。
(ただし、収集家はいる)

今回の展示では、ベルリンを中心に活躍する十数カ国のアーティストの作品が観られる。

一言で言うなら、「アートはここまで来たか」という感が深い。

映像作品が多いが、あくまで手段として用いており、その表現は充分練られている。

例えば、Ming Wong の映像作品『明日、発ちます』は、家族の崩壊を一人で何役も演じることで表現する。
ただし、一つの映像で演じるのは基本一役で特撮による多重効果は使わない。
その代わり、それぞれの役の立場からで撮影された複数の映像を各個室で流すのだ。
それぞれの役の独白は、他の家族に語られることはない。

Omer Fast の は、複数の証言と再現映像を組み合わせたユニークなもの。
本人がこの映像について語ったものがYouTUBEにある。


最も気に入ったのが、 Matthias Wermke & Mischa Leinkauf の映像作品『ネオンオレンジの牛』。
これは、都市の片隅でブランコを漕ぐ人物の連続映像だ。
無機的な構造物とブランコの浮遊感が妙に溶け合っている。

映像作品がほとんどだが、 Simon Fujiwara の作品はユニークだ。
父親と日本で再会するときのために予行演習を役者と行うというパフォーマンスだ。

なるほど、アートとは何でもありである。

MOT は、このような現代アートを展示する一方で、定期的な「ジブリ展」で客数を稼ぐなどしたたかな面もある。

アートといえど娯楽であり、サービス精神が必要と任じているようだ。

話は変わるが、混沌とした「壁崩壊前のベルリン」を舞台にした傑作ミステリーがある。

島田荘司の『切り裂きジャック・百年の孤独』だ。


切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)
文藝春秋
島田 荘司


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ロンドンで実際にあった連続殺人事件をベルリンに置きかえたら、というもの。

ついに迷宮入りになった「切り裂きジャック事件」の犯人当ても行われ、それなりに説得力がある。

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