私は『いだてん』支持者である

大河ドラマ 『いだてん』 が低視聴率だそうだ。

"クドカン"こと宮藤官九郎の脚本で、来たる東京オリンピックと絡めているのに気の毒な有様だ。


私は怖いもの見たさに観ているが、つまらないどころか冒険心ある作品で充分鑑賞に堪える。


ここ2回は、女子スポーツの振興とフェミニズムなど現代にも通じる物語。


例えば、今まさに女子サッカーのワールドカップが開幕しようとしている。

しかし、彼女ら日本人女子選手のモチベーションはどこから来るのか?


男子選手は活躍によって収入が増え女にもてる。

これに対して女子はスポーツをしてどんな得があるのか?

日本の一部選手は世界クラスの活躍をしても、アマチュア同然のままなのだ。


スポーツ女子が異性にもてるどころか、日本人男に敬遠されがちな状況は現在でも変わらない。

スポーツマスコミも「美人アスリート」でなければろくな取材もしない。


クドカンはこうした点を妙な変化球を使わずにぶつけており好感が持てる。

「男が足出して良く、女はなぜ出したらいかん?!」

実在した主人公である金栗のこうしたストレートなセリフは時代を超えて刺さるだろう。


セリフだけでなく、実在のメダリスト人見絹江が登場するシーンは良かった。

マスコミ受けするアイドルのような女子テニス選手を男子並みの体格の人見が一蹴してしまう。

その後「私は化けもの扱いされる運動なんかしたくない」と寂しく去ってしまうのだ。


このメッセージ性が強い現代的なドラマが低視聴率なのだ。


戦国と幕末以外のドラマは、一般市民に理解が難しいのか?

なにせ、いまだに大好きな歴史上人物が信長と西郷さんという国民性なのだ。

カリスマ主人に飼い慣らされて一緒に死んでしまうのに憧れでもあるのか?


『いだてん』 は表現方法も個性的。

複数の時代が並行に描かれ、語り手も一人ではない。

現代編(1950年代)のたけしは確かに滑舌が悪いが、老落語家役だから仕方ないかもとも思う。

金栗時代編の森山未來や現代編でその弟子を演じる神木隆之介はさすがというか聞き取りやすい。

流行のアイドルは使わず、若くても実績ある良い俳優を選んでいるのだ。


役所広司や杉本哲太らは大声を出しがちだが、役柄から国を牽引するという気概が感じられる。

現代の中央省庁のヘタレぶりを見せられているから、なおさら感じるのかも知れない。


結局 『いだてん』 がウケないのは、一般人が番組制作者の高い志についていけないからではないか?


今後 NHKは低視聴率からの回復を願うあまりアイドル等の起用は止めて頂きたい。


今の路線をいけば、おそらく大幅な視聴率回復は望めないかも知れない。

しかし何年後かに「いだてんは今観ると進んでいたなー」という評価に好転するのでは?


プレッシャーに焦っているであろう制作者のことはいざ知らず、そう思う。


いだてん 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)
NHK出版
2018-12-25
宮藤 官九郎

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